伊勢原市西富岡の「ファーム堀江」が週末限定で販売する「つぼやきいも」が人気だ。つぼでじっくりと蒸されたイモは蜜がたっぷりと詰まり、1日に約400本が売れている。焼き芋部門担当の堀江浩二さん(48)は「安くておいしいイモで、お客さんに笑顔を届けていきたい」と話す。
無農薬栽培にこだわったサツマイモは収穫時の傷をふさぐ「キュアリング」と呼ばれる処理をした後、湿度や温度を一定に保った貯蔵庫で数カ月熟成。販売日早朝に約170度に温度を保った専用のつぼ内で備長炭を使って、じっくりとイモ全体を蒸し焼くため、糖度約40度の甘さを実現している。
メニューは自社ブランドの「堀江ゴールド(紅はるか)」や安納芋、シルクスイート、鳴門金時と多彩。ねっとり、しっとり、ほくほくと食感の違いを楽しめるのが売りという。100グラム140円から販売されている。
つぼやきを始める契機となったのは、冬場の農作業の寒さ対策からだった。直売所で販売する野菜を洗う作業で、父・保二さんと母・たつのさんの冷える姿を見た浩二さんが「焼きイモを売りながら暖を取って野菜を売ってみたら」と提案。昨年1月から始めると、インスタグラムを中心に口コミで広がり、つぼが足りなくなるほどの売れ行きとなった。