うさぎ年は値段も“跳ねて” 威勢よく初競り 長崎県内魚市、青果 活況願う

県内の魚市場と青果市場で5日、初競りがあり、長崎魚市場では威勢のいいかけ声が響く中、新鮮な魚が次々と競り落とされた=5日午前5時23分、長崎市京泊3丁目、長崎魚市場

 「うさぎ年にちなんで値段も跳ねてお願いします」-。長崎県内の魚市場と青果市場で5日早朝、初競りがあり、競り人らの威勢のいいかけ声が響いた。各地で初市式もあり、関係者が新年の活況を祈った。
 長崎魚市場(長崎市京泊3丁目)の初競りは午前5時にスタート。旬を迎えたブリやヒラスなど250種以上の魚が次々と競り落とされた。縁起物のマダイは1キロ5千円、高級魚クエは同7500円の高値がついた。巻き網船団の休漁と重なった影響で、同日の入荷量は前年比114トン減の30トンだった。

ヒラメなどの水産物が次々と競り落とされた初競り=5日午前4時32分、佐世保市地方卸売市場水産市場

 規模を縮小して開いた初市式は約80人が出席。魚の単価は新型コロナウイルス禍前の相場に回復しつつあり、長崎魚市の多田聖一社長は「アフターコロナのステージに突入すると見込まれる。魚価も上向くと期待している」と述べた。
 佐世保市地方卸売市場水産市場(相浦町)の初競りは同4時に開始。タイやヒラメ、ヒラス、イカなど約50種が並んだ。取扱量はしけの影響で前年より減少し約73トン。取扱高も約3200万円と減少したが、競り値は高かった。
 コロナ禍の影響で中止となっていた初市式を3年ぶりに開き、関係者約200人が出席。佐世保魚市場の井上正人社長は「今年も消費者の皆さまが求めている多種多様な水産物を届け、水産市場全体を活性化させたい」とあいさつした。

初競りでミカンを次々と競り落とす仲買人ら=5日午前7時34分、長崎市中央卸売市場

 長崎市中央卸売市場(田中町)は同7時から初市式を実施。卸売業・長崎大同青果の加藤誠治社長は「昨年の上半期は高温の影響で、多くの品目が生育不良で高値が続いた。暮れの降雪でキュウリが品薄となり、価格が高騰した」と話した。初競りでは仲買人がミカンやイチゴなどを競り落とした。同日の取扱量は野菜が前年比21.1トン増の214.2トン、果実は同11.9トン減の59.2トンだった。

© 株式会社長崎新聞社