「宇攻撃した自爆ドローン、韓国製半導体も見つかる」宇紙など

ウクライナ戦争でロシア側が使用しているイラン製自爆ドローンから、米国製部品が多数発見された。ウクライナ紙は以前、韓国製半導体も見つかったとの報道も行っている。

(参考記事:韓国紙「露軍ドローンから日本製部品が多数見つかるが…」

米国CNNの4日(以下現地時間)の報道によると、ロシア軍が用いているイラン製自爆ドローン「シャヘド-136」に入った部品は合計52個であり、このうち40個について、米国企業が製造したものだったと報じた。(※CNN当該記事URL:https://edition.cnn.com/2023/01/04/politics/iranian-drone-parts-13-us-companies-ukraine-russia/index.html)

このうちマイクロプロセッサはオランダの半導体企業であるNXPが製造したものであり、マイクロコントローラ、電圧調整器、デジタル信号コントローラなど20個余りは米国テキサスインスツルメンツ(TI)製品として確認された。

位置情報システム(GPS)モジュールは米国ヘミスフィアGNSS社が製作したものであり、この他にもカナダ、スイス、日本、台湾、中国などで製造された部品12個も確認された。

ウクライナで回収されたイラン製シャヘド-136とみられるドローン/Mil.gov.ua

一方で、このイラン製自爆ドローンで韓国産部品が発見されたという情報も出ている。

昨年10月25日、ウクライナの現地媒体であるザ・ニュー・ボイス・オブ・ウクライナ(NV)は「(ウクライナ軍に)撃墜されたシャヘド-136に韓国産マイクロプロセッサが搭載されていたケースもあった」と報道したことがある。(※NV紙の当該記事URL:https://english.nv.ua/nation/austrian-engines-south-korean-and-malaysian-microchips-us-parts-found-in-iranian-mohajer-6-drones-50279200.html)

昨年8月にも、ロイター通信は、英国王立合同軍事研究所(RUSI)がロシア武器や軍用品など27点を分析したところ、少なくとも450点の部品が外国で生産されたことが確認されたと報じた。国別では米国製が多かったが、韓国製も6点見つかったと伝えていた。(※ロイター当該記事URL:https://www.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-missiles-rusi-excl-idCAKBN2PE0RV)

英国の「武器監視団体紛争軍備研究所」(CAR)によると、昨年ウクライナの戦場で発見されたドローンの全部品の82%が米国産だった。イランにハイテク部品を輸出すれば国連安全保障理事会決議案(2231号)違反となるが、イランが民間用途で輸入して武器に搭載する場合には止めることができない。

イランはこのような利点を利用して自爆ドローンを大量に生産し、ロシアはイランから比較的低価格(2~3万ドル)買い取った後に、ウクライナを攻撃することに用いている。

昨年5月、ウクライナ戦場で回収されたロシア軍の電波妨害装置ボリソグレブスク2(Borisoglebsk-2)からも韓国産部品が見つかっている。英デイリーメール昨年5月3日の記事で、ボリソグレブスク-2から英米や台湾製部品に加え韓国の部品も見つかったと伝えていた。(※デイリーメール記事URL:https://www.dailymail.co.uk/news/article-10776727/British-parts-jamming-systems-military-radios-Russian-weapons-Ukraine.html)

(参考記事:宇軍のジレンマ「270万円のドローンを6900万円のミサイルで撃墜…」
(参考記事:韓国紙が一斉報道「西村経産相が訪米し半導体規制を議論」 強い関心の理由は?【解説】
(参考記事:宇安保関係者「露軍に自爆ドローンの操縦法教えたイラン人教官をクリミアで殺害した」

(参考記事:露のドローン攻勢に対し、撃墜率70%の宇軍の防御戦略
(参考記事:外信「韓国の尹政権、北朝鮮ドローン事件を文前政権批判に利用」 撃墜できず激怒
(参考記事:ロシアに輸出された中国産半導体で不良率が急増か

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