大分トリニータ チームとしての一体感は早くも生まれつつある 【大分県】

ピッチ上に賑やかな笑い声が響き渡る。昨季J1復帰を逃した大分トリニータは、約2カ月の長いオフを挟み始動した。この日は体調不良の2人を除く30選手が、それぞれリラックスした表情を見せながらランニングやボール回しなどで体を動かした。下平隆宏監督は「新しい顔も増えたが、みんないい顔をして集まってくれた。初日の練習としては、いい雰囲気でできた」と上々のスタートを切ることができたようだ。

練習前のミーティングでは、今季の目標を「J1昇格とホーム戦は1万人のサポーターで埋める」ことを掲げた。常に前提として勝利の追求があるのだが、下平監督は「それ以上に何をチームとして表現していくか」を選手に問う。そこには昨季の反省があった。チームは監督の考え方で動くものという認識が強く、「指示待ちの選手が多かった。サッカーはピッチで選手が創造するもの。もちろん試合までに第1プラン、第2プランと用意するが、プラン通りには行かない。そのときに選手で解決できる集団になってほしい」と語った。キーワードに掲げたのは、競争ではなく「共創(きょうそう)」。「選手と共にチームを創りたい」との思いもあるからだ。

今季のキーワードは「共創」と語った下平隆宏監督

開幕までの約6週間で自分たちのスタイルを形成していくことになる。昨季先発の座をつかんだ3年目の弓場将輝は「昨年の最後(J1参入プレーオフ)のような試合をしたい。個人的には守備が得意だが、攻撃が好き。前線に絡めるようなプレーをしたい」と話し、在籍10年目となる伊佐耕平は「チームが若返り、昨年以上にチームを盛り上げ、引っ張っていきたい」と、このチームが持つ一体感を高め、若い選手や新しい選手たちが萎縮することのない環境をつくろうとしている。

今季も団結力という部分で期待が持てそうだ。チーム内に流れる雰囲気はよく、緊張感を持続させながら開幕に向けて、より結束力を高めていくのみだ。その先にJ1昇格が待ち受けていると思えば、これから1月下旬のキャンプまで続くハードな2部練習も乗り越えられる。

初日の練習から雰囲気は上々

(柚野真也)

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