スター候補生インタビュー(1) サッカー男子 保田堅心(大分トリニータU-18) 【大分県】

昨季はJリーグでの試合出場が可能となる2種登録選手として、大分トリニータのリーグ戦8試合に出場した保田堅心(大分東明3年)。最大の山場となったJ1参入プレーオフにも出場し、大きな経験と自信を得た。下平隆宏監督は「数年後の大分を支える選手」と高く評価しており、プロ1年目から即戦力として活躍が期待されている。今季は開幕スタメンとともに20歳以下の世界選手権「U-20ワールドカップ」のメンバー入りと予選突破を目指す。

Q:昨年は2種登録選手としてリーグ戦など公式戦に出場しましたが、どのような1年でしたか?

この段階(高校3年生)で公式戦に出て、プロの試合強度や緊張感を肌で感じられた。すごくいい経験をさせてもらいました。ただ、好不調の波が激しく、いい時も悪い時もあり、それがチームの結果に直接つながってしまいました。手応えはありましたが、いろいろなものが見えた1年でした。

Q:J1昇格の懸かったプレーオフでは先発出場しましたが、これまでにない緊張感のある試合が経験できたのでは?

張り詰めた緊張感を味わえたのは大きかったです。今後のサッカー人生が懸かった選手たちが本気でぶつかりあう。その試合でピッチに立つ責任、プレッシャーを感じました。結果が出せず残念でしたが、今年に必ずつながると思っています。

Q:1年を通しての収穫は?

自分のストロングとウイークがはっきりしたことです。ストロングの部分は、求められるダイナミックなプレーができたと思っています。攻撃ではパスをさばきながら、他のボランチにはないゴール前に入っていく推進力、プレーの連続性を出せました。守備では90分間強度を保って走り続けることができました。ウイークの部分は、細かいタッチやパスのずれがありました。試合の流れを見ながらプレーする部分が足りていないし、時にはファウルをして相手の攻撃を止めるようなずる賢さや駆け引きが欠けていました。お利口にプレーしていてはプロでは通用しないと感じました。

昨季は高校生ながらリーグ戦8試合に出場した保田堅心

Q:昨年はトップチームの試合だけでなく、飛び級でU-19日本代表として海外での試合を経験しましたが、日本代表への思いは?

11月のスペイン遠征の成果は次の(U-20ワールドカップ)アジア最終戦の初戦につながるものとなったと思います。U-19スペイン代表と対戦し、日本で感じられない技術の高さがあったし、同じポジションの選手から学ぶものもありました。僕自身の今の立場は、絶対的な存在ではないしスタメンでもない。ただ、その中でも自分の良さを出せたと思っています。

Q:下平監督が「いずれは海外でプレーする選手」と話していましたが、期待の大きさを感じます。プレッシャーになることはありますか?

シモさん(下平監督)に限らず、年代別の代表に入ったり、このようなインタビューも増える中で海外の話が出て、期待されていると感じます。プレッシャーはありますが、それをエネルギーに代えられるのが上に行ける選手だと思っています。全てはメンタルの持っていき方であり、自分の芯をブラさず、動じない選手になりたいです。

Q:2023年は、どんな1年にしたいですか?

昨年から試合に出て、今年に懸ける思いは強くなりました。自分のプレーでチームを勝たせる選手になりたい。プロ1年目ですがチームの中心選手になるという思いは強いです。開幕スタメンを狙い、シーズンを通して試合に出続ける選手となり、コンスタントに結果を出したい。そのためにはシモさんが求める、ダイナミックに走れるボランチになることだと考えています。

チームの核となる選手への周囲の期待は大きい

(柚野真也)

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