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長崎県新上五島町今里郷の大山抵(おおやまずみ)神社(藤原義宣宮司)で4日、「真の的(シノマト)」と呼ばれる的射り神事があった。同郷では888あると言い伝えられている煩悩を払い、無病息災や子どもたちの健やかな成長を住民約50人が願った。
「真の的」は鬼に見立てた的を射抜き、1年の災いを退散させる伝統行事。峯博隆郷長によると、100年以上続いているという。
神社前に設けられた的場で、千早(ちはや)と呼ばれる白い晴れ着姿の男児2人が介添人の手助けを受け、「悪魔を払う矢」などのかけ声とともに、3本の矢で大的の中にある小的を貫いた。
射手を務める中学生男子3人が「欲」「疑い」など888の煩悩の数と同じ888点に達するまで約9メートル先の小的を狙った。中心を射抜けば30点など、3人の得点を加算。約1時間半、1人100本以上の矢を放ち続けて達成し、1年の平穏を祈願した。
町立上五島中3年、宮﨑奨之介さん(15)は「地域の“悪”が無くなればいいと願いながら矢を放った。でも、指が痛かった」と笑顔で話した。
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