橋脚幅は通常の3倍、車道も支える九頭竜川橋梁 北陸新幹線と県道一体、配水塔から眺めてみて

県道と一体構造の北陸新幹線九頭竜川橋梁。奥は福井県福井市森田地区=同市中藤新保町(日本空撮・小型無人機ドローンで撮影)

 福井県福井市の九頭竜川に架かる全長約415メートル、幅37.7メートルの大橋。中央部に北陸新幹線橋、その両側に片側2車線の県道「新九頭竜橋」、さらに外側に歩道という一体化構造となっている。車道は2022年10月に先行開通した。

 6基の橋脚が、新幹線と車が行き来する橋桁を支える。鉄道建設・運輸施設整備支援機構の吉岡浩司福井鉄道建設所長は「通常の新幹線の橋脚に比べて3倍の幅」と話す。

 18年の大雪では現場に約1メートルの雪が積もった。工期を遅らせないために作業員総出で、スコップや一輪車を使い、土のう袋に雪を詰め、クレーンで外に運びだした。

 河川工事では、アラレガコなどが生息する九頭竜川の生態系に配慮し、型枠に流し込むコンクリートや廃棄物が川に落ちないよう、足元にシートを張りつめて作業をした。

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 橋の近くの川沿いには、高さ約46メートルの配水塔マイアクア(同市東森田1丁目)がある。吉岡所長は「ぜひマイアクアの展望台から眺めてほしい。橋と九頭竜川と町並みが見渡せる素晴らしい景色ですよ」とお薦めする。

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 北陸新幹線金沢―敦賀間(約125キロ)はレール敷設が完了し、現在は設備や電気工事のまっただ中。24年春の開業に向けて順調に整備が進む「現場」を訪ねた。

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