幕末の新史料 県立博物館で公開 大改修で2年9カ月ぶり部分開館

部分開館した県立博物館で、新発見の幕末史料に見入る入場者

 開館以来の大規模改修で休館していた県立博物館(岡山市北区後楽園)が7日、工事を終えた1階展示室のみ、2年9カ月ぶりに部分開館した。昨年12月に倉敷市の旧野崎家住宅で見つかった幕末維新期の貴重な書簡が公開され、早速訪れた歴史ファンが興味深そうに見入っていた。

 1971年開館の同館は老朽化が進み、2020年4月から過去最大の約6億円をかけて改修。収蔵品を保護するため、建物の耐震補強や防水処置、空調機器の更新などを行ってきた。

 展示室では記念展「幕末維新を彩った人々」がスタート。ペリーが来航し江戸幕府と日米和親条約を結んだ時期に、水戸藩主徳川斉昭(なりあき)が米国使節の襲撃を画策したことを示す新発見の書簡など約40件が並んだ。会社員男性(37)=岡山市北区=は「当時の外国に対する強硬姿勢がよく分かる。博物館が再開し、面白い物が見られてうれしい」と喜んでいた。

 このほか、開館当時の写真や設計図なども紹介している。

 部分開館は2月19日まで。翌20日から再び休館し、4月に2階展示室を含めて全面開館する。

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