刀匠ら伝統の技披露 精進誓う 瀬戸内・刀剣の里で打初式

玉鋼を鎚で打つ安藤さん(左)と森さん

 「備前おさふね刀剣の里」(瀬戸内市長船町長船)で8日、新春恒例の打初(うちぞめ)式が行われた。日本刀制作の技を受け継ぐ刀匠らが伝統の技を披露し、1年の精進を誓うとともに安全を祈願した。

 関係者13人が出席。刀鍛冶らの信仰を古くから集めてきた靱負(ゆきえ)神社(同)の高原家直宮司が作業場をはらい清め、出席者が玉串をささげた。

 刀鍛冶の安藤広康さん(43)が日本刀の材料となる玉鋼を熱する火床(ほど)に火を入れ、森光秀さん(40)が玉鋼を鎚(つち)で打つ鍛錬に臨んだ。真っ赤になった玉鋼に鎚が振り下ろされると、「キーン」「キーン」という甲高い音が響いた。

 昨年の全国公募展で初の特賞に輝いた安藤さんは「今年のコンクールでも特賞を目指したい。刀剣の魅力をもっと広げていく」と話した。

 式後、鍛錬の模様は一般にも公開され、ファンが熱心に眺めた。

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