女性陣勝ち「豊漁の年」 五島・大宝の綱引き 世代超え懸命に引き合い

懸命に綱を引く子どもら=五島市玉之浦町

 新年に豊作豊漁を祈願する長崎県五島市玉之浦町大宝の綱引きが8日、地元の大宝寺近くの海岸であり、子どもからお年寄りまで男女に分かれて懸命に引っ張り合った。
 男性陣が勝てば豊作、女性陣が勝てば豊漁とされる伝統行事。新型コロナの影響で3年ぶりに実施した。
 綱は長さ約40メートル、太さは最大で直径約30センチ。寺の本堂に1年間飾られたしめ縄を芯にこの日朝から、地元住民約40人が作った。
 夕方、寺で読経後、参加者が抱えて海岸へ。綱引きは計約50人が男女に分かれて開始し、太鼓の音が鳴り響く中、力いっぱい引いた。勝負は、4勝4敗から最後に女性陣が制し、「豊漁の年」になった。
 普段静かな集落はにぎわい、大宝郷の近藤泰廣郷長(67)は「新型コロナに負けないよう伝統を受け継ぎたい。安全安心に楽しい一年にしたい」と話した。


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