冬の主役たち(6) 駅伝男子 大きな手応えをつかんだ都大路の走り 松井一(大分東明2年) 【大分県】

実力者が集まる第1区を走ることを切望し、かなった。昨年末に男子の全国高校駅伝(都大路)に出場した大分東明の松井一は6位でタスキをつなぎ、後続に勇気と勢いを与える走りを見せた。松井は「スタートから自分が流れをつくり、チームとして過去最高の4位を更新したかった。9位に終わったが、自分としては狙い通りの走りができた」とエースとしての責務を果たした。

183cmの長身を生かした長いスライドで、臆することなく自分の走りを貫いた。井上浩監督は「大きなレースになれば力を発揮する度胸がある。走りも気持ちもスケールが大きい」と評する。各校のエース級がそろう第1区(10キロ)の都道府県予選会での記録は、全国15位にランクされていたが、実力以上の力を発揮した。いつでも仕掛けることができる位置をキープし、得意の下りでスパートをかけるプランを実行する。最後の1キロでペースダウンしたが、当初の目標であった一桁順位を確保した。

都大路では1区を6位で好走した

初めて憧れの都大路を出走した1年時は、アンカーの大役を担い好走した。あれから1年、起伏の大きなクロスカントリーで苦手の上りを克服し、スタミナ強化に取り組んだ。今回の都大路で自ら第1区に名乗りを挙げたのは、エースとしての自覚が芽生えたからだ。「自分がチームを引っ張る」との覚悟で臨み、冷静にレース展開を読み、自ら練ったプランを遂行した。今回のレースでは手応えを課題も見つけることができたという。「下りで勝負はできたが、ラストスパートで勝ち切る力をつけなければいけない。次は区間賞争いができるようにしたい」と新たな目標が見つかった。

年が明け、代替わりしてからは精神的にもチームを引っ張る立場となった。松井は「自分がみんなを引っ張りたいという思いは強くなった。今年はトラックシーズンからレベルアップして、都大路につなげたい。次こそは表彰台の目標を達成したい」と強い決意を示した。

チームを引っ張る立場となった松井一(前列左端)

(柚野真也)

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