「制服リレー」に奔走 佐世保・祇園中PTA母親部 必要な家庭に無償で貸与

貸し出す制服を紹介する祇園中のPTA母親部メンバーら=佐世保市立祇園中 

 長崎県佐世保市立祇園中のPTA母親部(吉田美沙紀部長)は、卒業生などから提供してもらった制服、ジャージー類を、必要な家庭に無償で貸与する「制服リレー」に取り組んでいる。関係者らは「一番届けたい子どもたち」に届くよう、知恵を出し合い活動している。
 一般的に中学校に入学する際、制服やジャージーなど一式そろえると、計7万円程度必要になる。そのため、制服を用意できずに私服で入学式に参加した生徒もいるという。
 このような実情を知ったPTA役員らが「自分たちができることを、やってみよう」と活動を開始。同校には貸与用としてOB・OGから提供を受けたがほとんど利用していない制服があったため、これを活用することにした。
 母親部を中心に14人が同校に集まり整理し、クリーニングに出すなどして多目的室に保管。学校と協力して必要な生徒に貸し出しを始めた。
 対象を絞ると、借りにくくなるため、貸し出しの門戸を広くしてさまざまな家庭の需要に応えることにした。身長が伸びて入学時に買った制服が小さくなったり、転校してきて制服が必要になったりと取り組みを始めると、多様な理由で必要とする家庭が多くあった。制服の在庫はあっという間に少なくなり、現在は制服の提供を呼びかけるチラシを作り関係者に配布。今後は民生委員とも連携する予定で、学校、地域、保護者で子どもたちを見守る体制づくりに奔走している。
 PTA副会長で同部担当の白石直美さんは「連帯の輪を広げて、少しでも多くの必要な人に届けたい。メンバーと話し合いながら、制服リレーのバトンをつないでいきたい」と前を見つめる。問い合わせは同校(電0956.24.8686)。


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