「直谷城跡」デジタルマップ化へ 佐世保高専生がCF グーグルマップでの公開目指す

直谷城跡のデジタルマップ化に取り組んでいる佐世保高専の学生=佐世保市沖新町

 長崎県佐世保市沖新町の佐世保高専の学生が、県指定史跡「直谷城跡」(同市吉井町)をデジタルマップにするプロジェクトに取り組んでいる。「同市ふるさと納税特設サイト」のクラウドファンディング(CF)を活用して資金を募り、グーグルマップと連動した情報発信を目指す。
 直谷城は平安から江戸初期まで存在した松浦党一族の志佐氏の居城。自然の崖を利用した山城として知られる。プロジェクトは学生らが「直谷城アーカイブ化実行委員会」を組織して運営し、地域資源の発掘などに取り組む「さいこう!SASEBO」がサポート。県立佐世保商業高、聖和女子学院中高の生徒によるこれまでの調査、研究をベースに、デジタルマップ化による観光活用を図る。

「さいこう!SASEBO」が手がけた直谷城の再現イメージ図

 メンバーは電気電子工学科1年の東川尚耶さん(16)、木下拓海さん(16)、三又智喜さん(16)、松永幸乃輔さん(16)、松尾匠さん(15)。昨年11月に現地視察をし、放課後や休日に作業を進めている。
 城跡に残る「武者走り」「姫落しの断崖」「中央物見台」など、見学スポット約20カ所の座標を測定し、地図上にマーカーを設置。それぞれのマーカーに遺跡名などを反映させ、さらに説明文やイラスト、リンク先などを加えていく。日本語と英語で紹介し、世界に向けたグーグルマップでの公開を目指す。
 このCFは、佐世保市が公募、審査した文化芸術プロジェクトに対して共感した個人、団体から寄付を受け付けるシステム。目標額は49万5千円。募集期間は15日までで、本年度中の事業完成を目標にしている。寄付金はホームページやイラストの製作費、広報活動費などに活用する。学生たちは実現に向けて各地でチラシを配布するなど協力を呼びかけている。
 メンバーは「一見するとただの山のようだが、考えてつくられた人工の山城。観光客が増えて、地域の役に立てたらうれしい。将来に向けて勉強になる作業、経験」と話している。

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