【やまぐち深発見紀行】 No.251「秋穂二島・秋穂二島発伝統野菜『山口甲高』」

▲山口甲高

 約90年前に秋穂二島で生まれ、同地域に産地を形成した山口甲高タマネギ。その歴史を振り返る。

 山口甲高(別名山口丸)は、秋穂二島で農業を営んでいた中村亀吉氏によって改良・作出されたタマネギだ。「タマネギ小屋と寝床を取り違えていたような」15年の研究の末、1935年に誕生した。

 小玉で貯蔵性に優れており、戦後は水稲の裏作として推進。60年代は二島と名田島を合わせて作付面積は100ヘクタール以上あったという。かつてこの地に根を張り一大産地を築き上げた山口の伝統野菜だ。

 その後、山口甲高は生産者にとってより栽培しやすい品種へと改良され、現在在来品種は栽培されていない。

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