現代日本画 心潤す色彩の妙 院展岡山会場 会期15日まで

会期終盤の「院展」岡山会場で、じっくりと作品を鑑賞する入場者

 「第107回院展」岡山会場(日本美術院、山陽新聞社主催)は15日まで。会場の岡山市北区表町、天満屋岡山店6階葦川(いせん)会館には13日も、心潤す現代日本画を楽しみに次々とファンらが訪れていた。

 日本美術院をけん引する同人や、郷土の気鋭が手がけた優品58点が並ぶ。手塚雄二さんの「池之端」は、しなやかに垂れた柳の枝葉の奥にカモが浮かぶ、静謐(せいひつ)なモノトーンの世界。中国新疆ウイグル自治区の市場を舞台にした宮廻正明さんの「抒情詩(じょじょうし)」は、鮮やかな明暗のコントラストが印象的だ。入場者は顔を近づけて色彩の妙を味わったり、精緻な筆遣いに感嘆の声を上げたりしていた。

 水田に鉄路が映る小田野尚之さんの「朝」に心打たれたという女性(65)=同市南区=は「生活の中にありそうな風景が、柔らかな色合いで写実的に描かれ、とても身近に感じられた。深みがある日本画の世界を堪能しました」と話していた。

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