2021年NASCAR王者カイル・ラーソン、アロウ・マクラーレンSPから2024年のインディ500参戦へ

 2023年シーズンに向けパト・オワードとフェリックス・ローゼンクヴィストの残留に加えて、アレクサンダー・ロッシを迎えて強力な布陣を形成したアロウ・マクラーレンSPは、来季2024年のインディアナポリス500マイルレースでも、4台目のラインアップにビッグネームを加えることを発表した。

 NASCARカップシリーズでシボレーのトップチームとして君臨するヘンドリック・モータースポーツ(HMS)に所属し、2021年にはカップ王者にも輝いたカイル・ラーソンを起用し、同じくシボレーエンジンを搭載したダラーラDW12を託すことがアナウンスされた。

 2023年に向けシリーズの冠でもあるNTTデータとスポンサー契約を交わしたアロウ・マクラーレンSPは、約1年半先の5月に向けNASCARカップシリーズのチーム代表であるリック・ヘンドリックや、ヘンドリック・モータースポーツとも提携し、カップ戦の5号車と同様『HendrickCars.com』をスポンサーとして、4台目のマシンを走らせる。

「この決定に心から興奮しているよ。インディ500に出場することは僕の夢であり、スプリントカーで競技を始めるより前に、子供の頃からずっとやりたかったことなんだ」と、大先輩の“J.J.”ことジミー・ジョンソンに続くオープンホイール・デビューが決まったラーソン。

「とくにアロー・マクラーレンやヘンドリックと一緒に参戦することは、本当に夢の実現だ。この機会に感謝しているし、まだ1年半ほど先だけど心底楽しみにしているよ。インディ500とコカ・コーラ600の両方に出場して、強力なレースを展開したいと思っている」

 今季タイトル候補の最有力と目されるオワードと、2016年のインディ500覇者であるロッシとともに、2023年は一足先にトニー・カナーンの500参戦が決定しているが、シーズン終了後には2021年のシリーズチャンピオンであるアレックス・パロウも、F1挑戦とともにアロウ・マクラーレンSPヘの移籍が取り沙汰されているだけに、現役NASCAR界随一のオーバルドライバーであるラーソンの出走も競争力ある結果が期待できる。

2023年シーズンに向けパト・オワードとフェリックス・ローゼンクヴィストの残留に加えて、アレクサンダー・ロッシを迎えて強力な布陣を形成したアロウ・マクラーレンSP
カップシリーズのタイトル防衛に挑んだ2022年は、惜しくもプレーオフ進出を逃す結果に

■「アロウ・マクラーレンSPのチームにとっても、レースファンにとってもエキサイティングなことだ」とザク・ブラウン

「こうして『HendrickCars.com』とのパートナーシップにより、2024年のインディ500のラインアップにカイル・ラーソンを加えることは、我々アロウ・マクラーレンSPのチームにとっても、そしてレースファンにとってもエキサイティングなことだ」と語るのは、マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウン。

「彼は“コンプリート”ドライバーであり、どんな種類のクルマでもレースをすることで知られているし、カイルがNTTインディカー・シリーズのマシンで何ができるか、それを見るのを今から楽しみにしている。そして何より、リック・ヘンドリック副会長やジェフ・ゴードンと協力し、この契約をまとめることができたのは素晴らしい出来事だったね」

 インディカーとNASCAR最高峰のカップシリーズ、その双方でシボレー陣営を牽引するトップチームが提携するという画期的な契約となった今回、2024年5月に共闘するヘンドリック代表も「本当にユニークなこと」だと意気込みを語る。

「カイルをサポートしてアロウ・マクラーレンのようなエリートチームと連携し、世界最高の自動車レースイベントのひとつで『HendrickCars.com』を喧伝する機会を持てたことは本当に素晴らしい」と続けたヘンドリック。

「全員が競争相手であり、カイルに最高レベルの装備を身につけさせ、このような困難な挑戦に備えるための充分な時間を与えることは重要だ。そしてクルマの所有者としてインディ500でシボレーを走らせるのは、非常に特別な経験になるだろうね」

「このようなコラボレーションは、それを実現するために必要なものであり、幸いなことにお互いの意欲が一致したんだ。我々はこの挑戦を正しく行うことに100%コミットしており、ザクと彼の組織と協力できることを楽しみにしている」

「とくにアロー・マクラーレンやヘンドリックと一緒に参戦することは、本当に夢の実現だ」とラーソン
「我々アロウ・マクラーレンSPのチームにとっても、そしてレースファンにとってもエキサイティングなことだ」とザク・ブラウンCEO

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