「注目大会で勝つ」 小山の長谷部五段、市長に昇段報告

市に贈った色紙を手に、笑顔を見せる長谷部五段(中央)

 【小山】市出身・在住の将棋のプロ棋士、長谷部浩平(はせべこうへい)さん(28)が16日、市役所を訪れ、浅野正富(あさのまさとみ)市長らに五段昇段を報告した。浅野市長は「藤井聡太(ふじいそうた)五冠らに勝って、子どもたちに夢を与えてほしい」と激励。長谷部さんは「注目される大会で有名棋士に勝てるよう頑張る」と決意表明した。

 2018年に四段となり本県出身で戦後初のプロ棋士になった長谷部さんは、公式戦100勝などの条件を満たし昨年10月、昇段。先月は羽生善治(はぶよしはる)九段に挑むなど、実力を磨いている。

 一方、将棋の魅力を知ってもらおうと、18年度から市内の小学生を対象にした将棋の講習会や大会で講師などを務め、市民にとっても身近な存在だ。

 この日、長谷部さんは「有志竟成(きょうせい)」などとしたためた色紙3枚を市に贈った。志をしっかり持っていればいつかは実現できるという意味で、好きな言葉だという。羽生九段との対局は「あと一押しだった」と悔やんだが、「最近は(実力者と交えても)当たり負けしない感覚が出てきた」と自らの成長を表現した。

 新年度はこれまでの自己最高である23勝を上回る30勝を目指すとともに、4年以内の六段昇段を目標に掲げ、活躍を誓った。

浅野市長に昇段を報告する長谷部五段(左)

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