倉敷芸科大の卒業制作展始まる 最高賞に板野さんのガラス作品

最高賞を受けた板野さんのガラスオブジェ(手前の3点)

 倉敷芸術科学大(倉敷市連島町西之浦)芸術学部の卒業制作展が17日、同市中央の市立美術館で始まった。教員らの審査があり、最高賞の加計勉大賞には板野尚美さん(22)=デザイン芸術学科=のガラスオブジェ「纏(まとい)」が輝いた。山陽新聞社長賞は横山菜南子さん(22)=同科=の絵本「きつねくん旅に出る」が選ばれた。

 同科とメディア映像学科の72人が絵画や陶芸、コミック、映像、ゲームといった多彩な71点を展示している。入場無料。22日まで。

 板野さんのオブジェは3点(各高さ40センチ、幅、奥行き30センチ)。身にまとった布が翻る様子をイメージしたといい、表面をドレープのようにうねらせ、細かな模様をびっしりとあしらったアイデアと技術力が評価された。「試行錯誤の連続だったが、諦めなくて良かった」と喜んだ。

 横山さんの絵本は、絵を描く才能を周囲に認められて居場所を得る「きつねくん」が主役。発達障害やその傾向にある人に向けて作っており、「特性への理解が深まり、自分らしさで乗り越える物語が素晴らしい」と評価を受けた。

 加計美術館(同市中央)では同大大学院芸術研究科の修了制作展を開催中。修士課程は31日まで(21~23日除く)、博士課程は2月4~12日。無料。

板野尚美さん

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