大分三好ヴァイセアドラー 日替わりヒーローの出現に期待 【大分県】

バレーボールのVリーグ男子1部の大分三好ヴァイセアドラーが前半戦の山場を乗り切った。順位の近いVC長野をホームに迎えた2連戦で連勝し、最下位を脱出した。ムレイ・ポール監督は「このリーグはタフ。簡単に勝てる相手はいないが、勝てない相手もいない。ライバルに勝ててよかった。チームの調子は上がっているので、攻める姿勢を貫きたい」と手応えを語った。

チームがもともと掲げていた今季の目標は6位以内である。順位を9位に上げたが、リーグ折り返しまで2試合残して3勝13敗と流れに乗り切れていない。昨季から助っ人の外国人選手が2人入れ替わり、チームにフィットするまで時間がかかった。初勝利は開幕から東レアローズ戦までの1カ月を要し、その後もメンバーを入れ替えるなど試行錯誤が続いている。

長野戦に勝利し最下位を脱出した

この苦境を打破するために必要なのは、伊藤洸貴や安部翔大のようなルーキーやリザーブの選手の台頭だ。1年目の伊藤は高いセットアップからのトス回しで開幕戦から先発の座を射止め、期待通りの活躍をしている。2連勝した長野戦では、これまで伊藤の控えに回っていた井口直紀が久しぶりの先発出場の機会を得て、強気のトスワークで相手を揺さぶる勝利に貢献し、安部も要所で、スパイクやブロックでポイントを重ねた。

井口は「準備してきたことを試合に出せた。アナリストから相手の弱い部分をデータで提示され、そこをうまく突けた」と話し、安部も「データがハマった。ブロックから流れをつかむことができた」と、出場機会を得られなかった間も対戦相手の研究に労を惜しまず、自分がやるべきことを整理していたという。後半戦は試合に向けて最善の準備をし、特定の選手に頼らず、スタッフを含めた総合力で下位争いから抜け出したい。

井口らの奮起が後半戦のカギを握る

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS