フェラーリ・ドライバー・アカデミーの1年が始動。2023年は男性6名、女性2名の全8名が所属

 フェラーリのドライバー育成プログラムである『フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)』の2023年シーズンがスタートした。今年は男性ドライバーが6名、女性ドライバーが2名の計8名が所属し、そのうち7名が新たなカテゴリーに参戦するという。

 2023年のFDAのメンバーは、オリバー・ベアマン、アーサー・ルクレール、ディーノ・ベガノビック、マヤ・ウィーグ、ラファエル・カマラ、そして新人のジェームズ・ウォートン、トゥッカ・タポネン、アウレリア・ノベルズだ。マラネロの本拠地では顔合わせが行われ、8名のドライバーとFDAの責任者であるマルコ・マタッサ、フェラーリF1のチーム代表を務めるフレデリック・バスール、およびレーシングディレクターのローレン・メキースが出席した。

 ドライバーたちは、最初の1週間の間にキャンプに取り組む。4日間のスケジュールを通して様々な内容の授業を受け、心理および身体テスト、スポーツ活動を行う。またFDAの長年のパートナーであるトニー・カートの協力でカート走行も1日行うことになっている。

 FDAのドライバーは今年、4つのカテゴリーに参戦する。まずベアマンとルクレールは、ふたりともFIA F3からステップアップを果たし、FIA F2に参戦する。所属チームはベアマンがプレマ・レーシング、ルクレールがダムスだ。

2022年FIA F3第5戦シュピールベルグ レース2 3位に入賞したオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング)
ダムスからFIA F2デビューが決定したアーサー・ルクレール

 2022年にフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権で4勝を挙げたベガノビックは、F3に昇格する。2023年のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権に参戦するのはカマラと、女性ドライバーのウィーグだ。ウィーグはダボスで行われている『The Female Quotient’s Equality Lounge』に参加しており、今回の顔合わせは欠席となった。

FDAメンバーであるラファエル・カマラ

 そしてウォートン、タポネン、もうひとりの女性ドライバーであるノベルズの新人3名はF4に参戦する。ウォートンとタポネンはすでに2023年シーズンのレースに出ており、UAE F4シリーズのオープニングラウンドに出場。ふたりとも表彰台フィニッシュを飾っている。

FDAメンバーであるトゥッカ・タポネン
FIAとFDAが運営するプログラム『FIAガールズ・オン・トラック-ライジングスターズ』からFDAに加入したアウレリア・ノベルズ

 FDA責任者のマタッサは、7名が新しいカテゴリーに参戦することで厳しいシーズンになることを覚悟しているが、ドライバーの使用する設備や人材にさらなる投資を行い最大限の力を尽くすと述べた。

「アカデミーの新年のスタートはいつも非常に特別な瞬間だ。これまでの生徒たちとまた会うのはよいものだし、新しい生徒たちを迎えるのもまたいっそう特別なものだ。特に厳しいシーズンになるだろう。なぜなら8人中7人がそれぞれのカテゴリーでルーキーシーズンを迎えるからで、彼らはより手ごわい挑戦に直面することになる」

「2022年に我々はタイトルをまた獲得できるようになった。我々としては最大の力を尽くす準備ができている。生徒たちが自由に使える施設と、人材面にさらなる投資を行っている。彼らに実現可能だと我々がみなしている結果を出せるように助力し、支援するためのものだ」

「我々のスカウトプログラムの最新の卒業生であるアウレリア・ノベルズとトゥッカ・タポネンを特に歓迎したい。アウレリアはFIAと我々が運営しているプログラムからFDAに加入した。マヤ・ウィーグとともにすでに実力を証明している。トゥッカは、参加者全員が非常に高水準にあった第3回『FDA Scouting World Finals』を通過してマラネロへやってきた、最も傑出した生徒だ。彼らと他の生徒たちと仕事を始めるのを楽しみにしており、ともに成功した1年にできることを願っている」

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