「100年過ぎても持続できるように」鉄道存続へ“協議の場”を静岡県に要望 新型コロナに台風が追い打ちの大井川鉄道

コロナ禍や台風被害で苦しい経営状況が続く静岡県のローカル鉄道「大井川鉄道」は1月18日、静岡県に要望書を提出しました。今後の運営について、県や市・町を交えた検討をしたいと要望していて、「ローカル鉄道存続の議論につなげたい」と話しています。

1月18日、静岡県の森貴志副知事の元を訪れたのは、大井川鉄道の鈴木肇社長です。大井川鉄道は、新型コロナの影響や2022年の台風被害などで厳しい経営状況が続いています。

<大井川鉄道 鈴木肇社長>

「(創業から)100年を過ぎても、その先も持続できるように。維持できる基盤を作るようにしたい」

年間約70万人が利用する大井川鉄道。SLなどの観光列車で黒字を保ってきましたが、新型コロナの影響で利用者は半減したといいます。さらに、追い打ちをかけたのが2022年9月の台風15号です。土砂崩れなどの影響で、紅葉シーズンの書き入れ時に約3か月にわたり全線で運休しました。線路の復旧費が捻出できず、現在も一部区間の運休が続いています。

地方鉄道を民営の力だけで維持していくことが難しく、今後の運営や復旧をめぐり、静岡県などが参加する「協議会の場」が必要だと訴えています。

<静岡県 森貴志副知事>

「話し合いの場は必ず設けます」

<大井川鉄道 鈴木肇社長>

「ローカル鉄道が残るか、残らないか。残るとしたらどうして残していくのかも含めて議論になると思う。簡単に片付く問題ではないので、協議の場できちっと話をさせていただくことが大事」

大井川鉄道は将来にわたり、川根路に列車を走らせるため、同様の要望書を沿線の島田市と川根本町にも提出しています。

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