カステラ×テリーヌ=新食感! 婦人服販売「タナカヤ」の洋菓子ブランド第1弾 発売 

上層がカステラ、下層が卵のテリーヌになっている「カステリーヌ」(タナカヤ提供)

 婦人服販売タナカヤ(長崎市)が洋菓子ブランド「Mix(ミックス)&(アンド)Blend(ブレンド)」を立ち上げた。第1弾として、地元銘菓カステラに卵のテリーヌを組み合わせた新食感の「カステリーヌ」を今月発売。創業146年の老舗が地域商社事業で開拓した人脈やノウハウを生かし、新分野に参入した。
 カステリーヌの特長は「ふんわり×とろり」。長崎産の無添加「太陽卵」と北海道産クリームチーズを使った濃厚なテリーヌを、カステラの下に敷いて2層にした。田中直高代表取締役(41)が企画し、パティシエ国際大会日本代表キャプテンを務めた鍋田幸宏シェフに商品開発を依頼した。
 田中氏は当初、自社運営の飲食店で試作を重ねたが納得がいかず、地域商社事業で取引していたパティシエに相談。著名な鍋田氏を紹介してもらった。「長崎伝統の味わいをベースに食感を変化させる」という田中氏のアイデアに鍋田氏は共鳴し、2層化や低温焼き上げなどレシピを考案した。

洋菓子ブランドを立ち上げた田中氏(右)とパティシエの神﨑氏=長崎市銅座町

 製造は、長崎市銅座町で昨年12月にオープンした「BLUEPRINT(ブループリント) PATISSERIE(パティスリー) LOUNGE(ラウンジ) NAGASAKI」が担う。外資系高級ホテルにも菓子を卸しており、鍋田氏の技術指導を受けた経験がある神﨑琢也シェフパティシエ(29)が手づくりする。
 タナカヤは1877(明治10)年、舶来雑貨小間物卸小売業として創業した。2015年には、全国の特産品を扱う「ながさき百貨店」を同市浜町の本店内に開業。その後、事業者の営業代行や商品開発支援をする地域商社事業にも乗り出した。新型コロナウイルス禍で衣料需要は減少したが、県内外の食品メーカーとの取引を拡大している。
 スイーツブランド名には、既成概念にないアイデアを混ぜ合わせて新たな価値を生み出していく意図を込めた。田中氏は「これからも時代に合わせて変化、対応していきたい」と話す。
 カステリーヌは1本300グラム2700円。専用ECサイトで数量限定、冷凍販売している。


© 株式会社長崎新聞社