埼玉の東西結ぶ高速道、まずは「首都高&東北道」結ぶルート優先 さいたま市、まちづくりや災害時に利点が

春には風車の下、菜の花が見頃を迎える見沼田んぼ=さいたま市北区

 埼玉県さいたま市の清水勇人市長は18日の定例会見で、見沼田んぼと周辺がルートになる可能性が高い高速道の整備検討について、「市としても災害などが起きた際の強靭(きょうじん)化、まちづくりなど総合的に考えたときに、必要な路線と考えている。見沼田んぼの自然環境の影響をできるだけ少なくしながら、守りながら事業を進めていくという観点は、重要な視点と考えている」と述べた。

 核都市広域幹線道路地元検討会が16日、同市役所で開かれ、首都高埼玉新都心線見沼インターチェンジ(IC)から東北道(浦和IC―岩槻IC間)付近を結ぶ高速道について協議された。慢性的な渋滞緩和を目的に、県内の東西を結ぶ高速道として、優先して検討を進めるとしている。有識者からは見沼田んぼの環境、景観、生態系への配慮が必要との意見が出ていた。

 見沼田んぼは首都圏で貴重な緑地空間として、県とさいたま市が保全を推進。複数の市民団体が、自然保護や農業体験などのプログラムを定期的に開いている。清水市長は「見沼たんぼについては、多くの皆さんが自然環境として守りたいと思っている。皆さんの声を十分に踏まえながら進め、理解いただけるようにしっかり取り組んでいきたい」と述べた。

© 株式会社埼玉新聞社