寒さが醸すうまい酒…福井の蔵元、日本酒造りピーク 1月20日は「大寒」じっくりと発酵

蒸した酒米などをかき混ぜる田嶋さん=1月19日、福井県福井市桃園1丁目の田嶋酒造

 寒さが醸すうまい酒-。1月20日は二十四節気の「大寒」。一年で最も冷え込みが厳しいとされるこの時期、福井県内の蔵元は日本酒の寒仕込みに追われている。

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 福井県福井市桃園1丁目の「田嶋酒造」では19日午前、蒸した酒米を自然の寒気で冷まし、麹(こうじ)や水とタンクに入れ、杜氏(とうじ)の田嶋雄二郎さん(34)が約3メートルの櫂棒(かいぼう)で1時間ほどかき混ぜた。タンクの中で気泡がぷつぷつとはじけ、華やかな香りを漂わせた。

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 冬は雑菌が繁殖しにくく、寒さでじっくりと発酵が進むため、酒造りに適している。19日朝の福井市の最低気温は2.4度と3月中旬並みだったが、24日以降は平年より低い日が続く見込み。この時期は夜も3、4時間ごとに起きて麹の出来を確認するという田嶋さんは「寒さが酒造りを手伝ってくれて、作業がやりやすい」と話した。

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