大分トリニータ 20歳弓場将輝、チームの顔となる覚悟 【大分県】

昨季ブレークを果たした大分トリニータの3年目、弓場将輝が「チームの顔」になるための階段を一気に駆け上がろうと意気込んでいる。監督やフロントからの期待を背負い、ファンやサポーターからの熱い視線を一身に集める20歳。今季は背番号が43から6となり、「全試合フル出場、5得点5アシスト」という目標を掲げてシーズンが始まった。

チームが始動した初日の5日から軽快な動きを見せた。約2カ月のオフはほとんど休むことなく体を動かし、筋肉量も増大した。「シーズンが始まるとどうしても筋肉が落ちてしまう。昨季は試合に多く出させてもらったがパフォーマンスにムラがあったのは、体作りに問題があった」と意欲的に肉体改造に取り組んだ。キャンプ前のトレーニングマッチでは、当たり負けしない体の強さを発揮し、昨季はチームで一番だったインターセプトに加え、ボールを奪い取る守備の強度を見せ、順調なスタートに満足そうな表情を浮かべていた。

将来のチームを背負う顔として、昨季の活躍は周囲の期待を裏切らない器であることの証左となった。大分トリニータU-18の頃から見守る西山哲平GMは「着実にステップアップしている」と認める。当の本人も主軸を担うことへの覚悟を決めているようだ。「1試合1試合集中するだけ」と控えめのコメントが多かった昨季から一転。「チームの顔になる」と堂々と宣言する。

今季初のトレーニングマッチでは好パフォーマンスを見せた

プロ3年目の今季を「そろそろしっかりしないといけない年」と位置付け、自立を目標に「チームの中心となってやっていきたい」と自ら意欲をかき立てている。そこには昨季J1で最優秀選手賞に輝き、海外チームに移籍したアカデミーの先輩、岩田智輝(スコットランド、セルティックスFC)の存在がある。「(5学年上の)智輝くんは僕の道しるべ。5年後には自分も同じ立場にいたい」と海外でのプレーを思い描く。

「目に見える結果を出さないと僕の成長はない」。飛躍の条件を自覚しており、持ち味の運動量と球際の強さを維持しつつ、得点に関わるシュート、パスの向上を意識してプレーする。「もっとやれると思っている。これまでの大分の中盤は試合をつくるボランチが多かったが、攻撃にガンガン関わる新しいボランチ像をつくりたい」と語る20歳が、今季のチームの浮沈を握っている。

チームの主軸となる弓場将輝

(柚野真也)

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