身代金を渡すも娘は戻らず 娘を思い声を殺して泣く母親 「母の聖戦」本編映像

誘拐された我が子の奪還を誓った母親の愛と執念の物語「母の聖戦」(公開中)から、母シエロが誘拐された娘の身代金を犯人グループに受け渡すシーンの本編映像が公開された。

シエロと元夫が必死でかき集めた身代金の15万ペソ(日本円で約100万円)と車を、犯人グループに引き渡すシエロ。だが、娘のラウラの姿はそこになく、シエロが問いただすと犯人たちは、「15分後に墓地の前で解放する」と言い残して車で走り去ってしまう。頼りにしていた元夫は、「予想した展開と違ってた・・・」とあっけにとられた様子でまるで役に立たない。その後、約束の墓地で、日が沈み暗くなるまで待っても戻らない娘を思い、シエロは声を殺して泣く。

母親の悲痛な思いが描かれたこのシーンは、主人公のモデルとなったミリアム・ロドリゲスの実体験が基になっている。身代金を渡した犯人から「娘は墓地で解放する」と言われたが、いつまで待っても娘は姿を見せず、夜になるまで墓地で待ち続けていたという。

「母の聖戦」は、誘拐ビジネスが横行するメキシコで、犯罪組織に誘拐された娘を奪還するため、命がけの闘争に身を投じた女性の実話をベースに、平凡なシングルマザーの主人公がたどる想像を絶する運命を映し出した作品。ある日突然、娘を誘拐された主人公シエロは、容赦なく身代金をむしり取られ、たちまち孤立無援の極限状況になる。誰にも頼れないことを悟ったシエロは、危険を顧みず犯罪組織への監視・追跡を行い、軍をも巻き込んで娘の捜索を繰り広げていく。メガホンを取るのは、本作が劇映画デビューとなるテオドラ・アナ・ミハイ監督。

【作品情報】
母の聖戦
2023年1月20日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
配給:ハーク
(C)MENUETTO FILM, ONE FOR THE ROAD,LES FILMS DU FLEUVE, MOBRA FILMS&TEOREMA

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