デビュー戦で苦闘する新型911も変更なし。IMSAがデイトナ24時間向け性能調整を発表

 IMSAは1月24日にテクニカル・ブルテンを発行し、1月28〜29日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われるウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間レース向けのBoP(性能調整)を発表した。

 1月20〜22日に行われた予選含む公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』においては、GTDプロおよびGTDクラスに正式デビューした992型のポルシェ911 GT3 Rの遅さが際立っていたが、今回のBoPではGTクラスの性能調整値に大きな変更は加えられていない。

 ポルシェ911 GT3 Rはロアの週末のリザルトにおいて、7台すべてがタイムシートの下位に沈んだ。22日に行われた予選におけるポルシェ911勢の最速タイムはライト・モータースポーツ16号車のヤン・ヘイレンがマークしているが、それはGTDクラスのポールシッターであるウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3よりも2.8秒引き離されたものであった。

 一方、GTカテゴリーの予選上位4台はメルセデスAMGが占める形となったが、メルセデス勢に対してもBoPの変更はない。

 GTP、およびGTDプロ&GTDのBoPテーブル全体における唯一の調整は、BMW M4 GT3の燃料容量が97リットルから99リットルへと2リットル増加したことのみである。

2023年デイトナ24時間レースの予選で、GTDプロ&GTDクラス通じて最速となったウインワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3とフィリップ・エリス

 LMDh規定が導入される最高峰GTPクラスでは、4メーカーの車両が最低重量(1030kg)、最大スティントエネルギー(920MJ)などの面で、同一条件でシーズンがスタートする。この数値は、すでにロアの時点で採用されていたものから変更がない。

 また、LMP3マシンとの階層化が懸念されているLMP2クラスだが、クラス全体の性能調整についてはとくに言及されていない。IMSAは2023年の変更点として、オレカ07・ギブソンのみで構成されるLMP2クラスに対し、基本的にBoPテーブルを発行しないこととしている。

デイトナ24時間前の公式テスト『ロア・ビフォア・ザ・ロレックス』で接近走行するLMP3車両とLMP2車両

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