栃木県内感染、累計40万人超 48日間で10万人増、倍速 新型コロナ 新たに1369人感染5人死亡、25日発表

栃木県の新型コロナウイルス感染者数の推移

 栃木県は25日、新たに計1369人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の累計感染者数は40万424人となり、陽性者が初めて確認されてから約3年で県民の5人に1人以上が感染した計算となる。直近の感染者数は減少しているが、感染力が強いオミクロン株の新たな派生型の拡大も懸念されており、県は「医療の逼迫(ひっぱく)は依然深刻なので感染対策を続けてほしい」と呼びかけている。

 30万人を超えた12月8日公表分から48日間で約10万人増えた。20万人から30万人まで増えるには96日間の間隔があり、倍の速度で感染が広がったことになる。

 25日の発表では、70代男性2人と80歳以上女性3人の計5人が16~24日に死亡した。入院中と施設療養中が各2人、自宅で死亡後に陽性判明が1人。県内の死者は計953人となった。

 新規感染者は0歳~90歳以上。50代以下が全体の8割を占め、最多の40代が221人、10代と30代が各208人、10歳未満が190人などと続く。クラスター(感染者集団)は高齢者施設で4件発生し、佐野市内で13人、宇都宮市内の2施設で7人と8人、那須烏山市内で10人が感染した。

 24日時点の病床使用率は53.0%、重症病床使用率は26.2%。入院者(予定含む)393人、宿泊療養者67人、重症者12人。

 直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は462.4人となり、第8波のピークから半減した。一方で県が第8波入りを宣言した直後の昨年11月20~26日には、第7波の主流だったBA・5系統が全体の82%を占めていたが、1月8~14日には56%に下がった。代わりに、感染力が強いBQ・1系統は11%から26%に上昇。12月上旬に県内で初確認されたXBB系統の割合も徐々に高まっている。

 入院・救急医療逼迫を受け、県は19日から県独自の「医療危機警報」を発出中。発熱外来の逼迫回避に向けインフルとの「同時流行注意報」も出しており、県民や事業者に対し感染対策の継続を要請している。

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