松浦・福島コース 「九州オルレ」に認定 長崎県内3カ所目 3月にセレモニー

九州オルレ(松浦・福島コース)

 九州の魅力的なトレッキングコース「九州オルレ」に、長崎県松浦市福島町が新しく認定された。九州オルレとしては19カ所目、県内では南島原市、島原市に次いで3カ所目。友田吉泰松浦市長は「福島の豊かな自然と歴史が満喫できるコース。島内には温泉やグランピング施設、オートキャンプ場のほか、クルマエビなど新鮮な海産物もあり、交流人口の拡大に向けて福島の魅力を発信していきたい」とPR。3月のオープニングセレモニーに向けて準備を進めている。
 「オルレ」は韓国・済州島から始まった山歩きで、「通りから家に通じる狭い路地」という意味。オルレの魅力は、海岸線や山などの自然の風景、集落の路地などを自分なりにゆっくり楽しみながら歩くところにある。
 九州オルレは「済州オルレ」の姉妹版で、九州観光機構が国内だけでなく、韓国など海外からの訪日客誘致を目的に進めている。認定には同機構の審査のほかに、本場の済州オルレ本部の審査を受けなければならない。
 市は2017年度から取り組んでいる「福島全島公園化」事業の一環として、19年度からオルレ認定の取得を進めていたが、コロナ禍で済州オルレの最終審査が受けられない状況が続いていた。

九州オルレ「松浦・福島コース」のフィニッシュ地点となっている「日本の棚田百選」の土谷棚田(土谷地区)=松浦市福島町

 また、当初は福島をほぼ1周するコースを想定していたが、審査の過程で歩きやすさや安全性、景観ポイント、休息所(トイレ)などの面でコース全体を見直した。市福島支所をスタート地点に、玄海国定公園の景勝地・イロハ島を望む大山展望所、木造校舎が残る旧養源小、鍋串漁港から鷹島や遠く平戸の島々が見渡せる海岸線をたどりながら、「日本の棚田百選」に選ばれている土谷棚田がある土谷地区までの約10キロ、約4時間半のコースに短縮した。
 済州オルレ本部の最終調査は申請をしてから3年越しの昨年10月にあり、いくつかの改善点の指摘はあったものの、12月26日付で認定を受けた。市は今後、分岐点に標識、林の中のコースには目印となるリボン、急斜面に階段や手すりの設置などを進め、安全に万全を期す。
 市はオープニングセレモニーを3月4日に開催。周知や参加者の募集は今月末ごろに、チラシや市、同機構のホームページなどを通じて実施する。市地域経済活性課は「300人程度の参加を見込んでいる。地域住民に協力してもらい、参加者へのおもてなしに努め、リピーターにつなげていきたい」と話している。

© 株式会社長崎新聞社