2月12日に秋吉台国際芸術村で「吉開菜央 Film and Dance」 映画「Shari」上映と即興パフォーマンス

▲©︎Nao Yoshigai Photo by Naoki Ishikawa

 2月12日(日)午後2時から、秋吉台国際芸術村(美祢市秋芳町)で、映画「Shari」の上映と即興パフォーマンス「吉開菜央 Film and Dance」が開催される。    

 「Shari」(2021年、日本)は、北海道知床半島の斜里町を舞台に撮影された、吉開菜央の初長編作品。ヨーロッパではカンヌ、ベルリンと並び最も重要な国際映画祭のひとつであるロッテルダム国際映画祭の短・中編部門(2022年)に公式選出された。    

 斜里町は、冬にはオホーツク海沿岸に流氷がやってくる知床半島にある。しかし、2020年の冬はいつもと違って雪が降らず、流氷もなかなか来ない。異変続きの斜里町に、突如毛むくじゃらの”赤いやつ”が現れる―。    

 漁師、パン職人、鹿を狩る夫婦など、斜里町で暮らす人たちの現実の生活と空想を織り交ぜながら、映像や音楽などさまざまな表現方法で五感に訴える作品となっている。    

 監督を務めながら、自身が”赤いやつ”として出演もした吉開は、1987年山口県光市出身の映像作家・ダンサー。日本女子体育大学舞踊学専攻卒業、東京藝術大学大学院映像研究科修了。自らの経験・感覚・気配・記憶などを、映画制作を中心にさまざまなメディアで表現している。短編映画「Grand Bouquet」(2019年、日本)は、第72回カンヌ国際映画祭の監督週間短編部門に正式招待された。また、米津玄師「Lemon」のミュージックビデオのダンサーとして出演・振付を担当するなど、多様な分野で活動しており、2022年度山口県芸術文化振興奨励賞を受賞した。    

 彼女は、2014年にアーティストとして同施設に滞在し、創作活動をしたこともある。今回、「自然・獣・人間がせめぎあって暮らす斜里と環境は違えど、秋吉台地域で生きる人たちを思えば、この作品を上映するに適した場所ではないか」と同施設が考え、本公演が企画された。    

 当日は、まず午後2時から映画上映がされる。続いて3時からは「Shari」の録音と音楽を担当した音楽家でサウンドアーティストの松本一哉と吉開が共演。「Shari」をテーマに、松本の音楽と吉開の身体パフォーマンスが繰り広げられる。さらに、吉開による作品とパフォーマンスについてのトークも予定されている。    

 入場料は、一般2000円で25歳以下は1000円。未就学児は入場不可のため、託児(無料)希望者は、1月30日までに同施設へ申し込むこと。チケットの予約は、同施設へ電話(TEL0837-63-0020)またはウェブサイト(https://aiav.jp/)の専用申し込みフォームから。    

 「山口県出身の気鋭の映画作家によるパフォーマンス。単なる映画の上映という枠に収まらない、身体表現者としての視点からつくられたアート作品を、直接目で見て耳で音を聞くことで、よりストーリーの深いところまで”体感”できる公演を楽しんで」と、主催する同施設。

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