韓国の自動車リコール数が340万台で過去最高 リコール率は日本の2.6倍

昨年、韓国でリコールされた車両は約340万台に上り、歴代最大記録を塗り替えた。これは日本の自動車リコール状況と比べてもかなり高い水準であることが分かった。

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22日、韓国国土交通部・自動車リコールセンターによると、昨年欠陥によりリコール措置を受けた車両は計342万1503台に達することが分かった。 韓国内に登録された全車両2491万台のうち13.6%はリコール車両となった形だ。

昨年のリコール台数は史上初めて300万台を突破したのに加え、既存の最多リコール数だった2021年(293万2820台)よりも16.6%も急増した。

このうち、国産(韓国)車のリコールが135車種・265万2639台で発生し、輸入車は1407車種・76万8864台だった。

国内自動車市場で大きなシェアを占める現代自動車は106万8830台、起亜自動車は146万5544台のリコールを行い、両方とも最多リコール台数を更新した。 このほか、ルノーコリアは9万4244台、韓国GMは809台のリコールが発生した。

このうち、特に起亜自動車、前年に60万1223台がリコールされたが、1年で2倍以上増加してことになる。

背景には、既存の内燃機関車から急激な電動化が行われ、複雑な電子部品が増加したうえ、技術が十分に蓄積できなかった状況で新車発売周期も早くなったためだと韓国専門紙などは伝えている。電動化によるリコール増加は世界的趨勢であると伝えるメディアもある。

今回の現代車・起亜のリコール急増の主な原因としても、電子制御油圧装置(HECU)の不良が指摘される。 HECUはロック防止制動装置(ABS)や車体姿勢制御装置(ESC)など制動関連装置を統合して制御する装置だ。 HECUに問題が生じた場合、車をきちんと制動できないことはもちろん、深刻な場合は走行中や始動時にエンジンルーム火災が発生することもある。

現代車グループのHECU不良は2020年、起亜のスティンガーを皮切りに現代車グレンザー、アバンテ、サンタフェ、ツーソン、起亜のK9、ソレントなどで現れている。 特に2021年5月には現代の高級ブランド「ジェネシス」のG80が22万2804台のリコールをおこなった。 2022年10月27にも17万7681台に達するスポーテージ・ツーソンが内部合線火災の懸念でリコールされた。

一方、日本のリコール状況はどうなのだろうか?直近(2022年)の総計はまだ発表されていないが、国交省が昨年4月に発表した2021年基準の統計によると、日本の総リコール対象台数は、国産車が395万8470台、輸入車が29万9461台であり、合計425万7931台となった。

リコール数だけみれば、日本(約426万台)が韓国(約340万台)を大きく上回っていることになるが、これは生産数や販売数は日本が韓国を大きく上回っているからだろう。Markinesによると、例えば2022年の日本の国内総販売数が約420万台だったのに対し、韓国は約139万台と、約3分の1の規模だった。登録台数も日本が約7845万台(2021年末時点)であるのに対し韓国は約2491万台と、これまた約3分の1の規模だ。

一方で、全登録台数に占めるリコール比率をみると、日本の5.3%に対し、韓国は13.6%となっている。韓国のリコール率は日本の実に2.6倍に達する。

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