小平智が目指す道しるべ 「日本の若手に“しがみつく”姿を」

開幕前日はスパイグラスヒルGCを回って調整(撮影/亀山泰宏)

◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 事前(1日)◇ペブルビーチGL(6972yd、パー72)、スパイグラスヒルGC(7041yd、パー72)、モントレーペニンシュラCC(6934yd、パー71)

小平智は前週「ファーマーズインシュランスオープン」最終日、日本からスポット参戦した蝉川泰果と同組でプレーした。「飛距離も出るし、すごく思い切りのいいゴルフをしている」と評した上で、3週連続で推薦出場して疲労からスイングが乱れていた22歳にプロとして長いシーズンを戦っていくための助言も送ったという。

「アマチュアのときは『日本アマ』だったり『日本オープン』だったり、年に数回の(大きな)試合に向けて全力で調整して全力で戦うから、そこで燃え尽きてもいい。そういう感じでPGAツアー3試合を戦っているなという感じがした」。ままならないショットを修正するために数を打ちたい気持ちがあっても、体調と相談してアプローチやパター中心の調整にとどめた方が連戦の中でプラスに働くこともある。

「ショットに不安がないから楽しい」と手ごたえがにじむ(撮影/亀山泰宏)

学生の時点で強い海外志向を持ってプレーする選手が多いことを改めて実感もした。「話していても、何かを吸収しようという気持ちが強い。僕ら(が同年代だったとき)と比べると(全体的に)技術も上がっていますし、気持ちの面でも成長しているというか、日本でシードとか、優勝とか、そういうところだけを見ていないなと感じた」

自らも早くからPGAツアー挑戦の夢を抱き、2018年「RBCヘリテージ」を優勝して扉を開いた。ここ2シーズンは準シード扱いとなるフェデックスカップポイントランキング150位で資格をつなぎ、浮上をうかがう立場から奮闘を続けている中で芽生えてきた思いもある。

2018年途中から始まったPGAツアー挑戦も6シーズン目(撮影/亀山泰宏)

「みんな(松山)英樹みたいになりたいと思うんですけど、下から積み上げていく、しがみついていくというのも、若い子たちに見せられたら。もともとプロデビューが華やかだったわけでもないですし、『あの人にできるんだから自分もできる』と思ってもらえるような選手になりたい。少しでも道標になれれば」

昨年3度目の挑戦で初めて予選を通過したこの大会では、トップ10を狙えるポジションでプレーした。次週「WMフェニックスオープン」のフィールド滑り込みにもつながる好成績を目指し、「去年のいいイメージの中で4日間通して頑張りたい」と意気込んだ。(カリフォルニア州ペブルビーチ/亀山泰宏)

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