長崎県佐世保市の早岐瀬戸で1日、ワカメ漁が解禁された。潮の流れが速い影響などで、良質で柔らかい食感の天然ワカメが育つという。
ワカメ漁歴60年以上の川原義博さん(75)=同市有福町=によると、今年は例年の10分の1程度の量で、「こんなに少ない年は初めてだ」と話す。例年はワカメが密集して「海が黒く見える」ほどだが、今年は海の底が見える場所が多い。
川原さんは船に乗り込むと、護岸から10メートルほどの場所で止めた。そして長さ約4メートルの竹竿(たけざお)の先端に金具を付けた「芽の葉取り」を海中にさし入れ、竿を回しながら引き揚げると、先端に褐色のワカメが巻き付いた。
「しゃぶしゃぶが一番おいしい。ぬた(酢みそ)を付けてもいいね」と川原さん。「来年はもっと採れたら」と海を見つめた。