地域つなぐ『子ども食堂』 佐世保「西地区」100人来場

来場者らにカレーをよそう西地区自治協議会メンバーら=佐世保市、西地区コミュニティセンター

 子どもからお年寄りまで幅広い世代が集まり、夜ご飯を一緒に楽しむ「西地区こども食堂」が1月27日、佐世保市金比良町の西地区コミュニティセンターで開かれ、地域住民ら約100人が足を運びにぎわった。
 西地区自治協議会が主催。高齢者の孤立や、子育て世代の相談の場など、地域課題の解決のため、地域交流の場をつくろうと、実験的に子ども食堂を開くことに。同市内で子ども食堂を開いている団体「親子いこいの広場もくもく」の数山有里代表(42)にノウハウを教えてもらいながら準備を進めてきた。
 当日は、同協議会や同団体のメンバーなど約10人が午前中から食事作りを始め、約150人分を用意。食材は市の補助金で購入したものや、同団体が寄付を受けたものを活用し、食事代は無料とした。
 午後3時から、県立大佐世保校の学生や地域の高齢者らが、子どもたちの遊び相手をしたり、勉強を教えたりして交流。その後、カレーやサラダスパゲティなどを一緒に食べた。
 家族5人で訪れた公務員の伊藤孝道さん(42)は「子ども食堂がどんなものなのか興味があって来た。子どもの宿題も見てもらえるし、ご飯もおいしいし、いいなと思った」と感想。
 「地域のいろんな人を仲間に入れて輪を広げていけば地域課題の解決の糸口になる。地区単位での子ども食堂の取り組みがもっと広がれば」と数山代表。同協議会の中倉孝行会長(75)は「自治協主催の子ども食堂は恐らく佐世保では初めて。参加者のアンケート結果などを踏まえ、今後の展開を考えたい」と話した。


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