今年後半から運気、巻き返す 1年の吉凶占う「百手祭り」 諫早・熊野神社

矢を放つ藤本宮司=諫早市、熊野神社

 矢で的を射て1年の吉凶を占う「百手(ももて)祭り」が5日、長崎県諫早市破籠井町の熊野神社であった。12本の矢のうち7本が命中。藤本俊春宮司は「今年後半から(世の中の運気が)巻き返すだろう」と予想した。
 同町内会によると、同町には源平合戦で敗れた平家の落人が隠れ住んだという伝説があり、神社は1202年、平家守護神の熊野大権現を祭るために創建。祭りは無病息災や五穀豊穣(ごこくほうじょう)などを祈る伝統行事で、的射神事の開催は3年ぶり。
 約150人が見守る中、藤本宮司が約5メートル先につり下げた直径約80センチの的に次々と矢を放った。的の裏に「鬼」と書かれた紙が貼られ、射抜くと縁起が良いとされる。12本の矢のうち、3月を意味する3本目で「鬼」が落ちると、大きな歓声が上がった。藤本宮司は「うさぎ年にあやかり一歩でも前進、飛躍できるよう期待する」と話した。
 同町の大山美子さん(59)は「厳かな気持ちになった。占いの通り、穏やかな年に戻ればうれしい」と期待を寄せた。

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