“次世代キーパーソン顕在化へ” にぎわい創出のノウハウ共有 長崎・東彼杵の団体など

ひとこと講座で対談する森さん(左から2人目)と陣野さん(同3人目)ら=諫早市内(県提供)

 各地で活躍する次世代のキーパーソンを顕在化し、地域の枠を越えてつながることで新たな「もの」や「こと」を生み出す-。長崎県で地域活性化に取り組む「ひと」が集うプラットフォームづくりが進んでいる。にぎわい創出のノウハウを共有して、地域の人と団体、企業などが連携し補完し合う持続可能な地域づくりが狙い。起業や事業承継への広がりも期待される。
 活動の中心は、本年度の国土交通省の地域づくり表彰で最高賞を受賞した東彼東彼杵町千綿地区の一般社団法人「東彼杵ひとこともの公社」(森一峻代表理事)。同公社は、地域の古い米倉庫を改装して交流拠点をつくり、地区外から人を呼び込み、UIターン者の起業や雇用創出につなげるなど、県内のまちづくりの“トップランナー的存在”となっている。
 昨年10月以降、月1回のペースで「ひとこと講座」を開催。“公開取材”と題し、森さんと長崎国際大の森尾真之准教授(地域観光マーケティング)が各地のキーパーソンと対談し、それぞれの活動の原点や課題を語り合い、オンラインでも配信している。森さんによると、起業候補者や社会課題を解決するソーシャルビジネスに関心のある大学生らが新たにつながるなど、少しずつ仲間の輪が広がっているという。
 年度内にはプラットフォームとなるサイトを開設。長崎、県北、島原半島など地域ごとに運営し、各地で「ひと」「こと」「もの」のさらなる掘り起こしを進めていく予定だ。県地域づくり推進課も各種支援制度を紹介するなど「民間の自発的な取り組みを後押ししていきたい」としている。
 今月4日の講座には、諫早市でグルメフェスといった商店街活性化に取り組む陣野真理さん(トミーズ代表)が登場。地域づくりに関わってもらうためには「自分の得意なことや日常(の仕事)が街を動かす実感を得ることが大事」などと助言した。
 これまでに登場したキーパーソンは陣野さんのほか、▽原田良太さん(佐世保市・宮共生会理事長)▽貞松徹さん(西彼長与町・ながよ光彩会理事長)▽谷本雅章さん(大村市・cotoコミュニティマネージャー)▽岩本諭さん(長崎市・長崎居留地歴史まちづくり協議会)-。過去の対談動画は同公社のサイト「くじらの髭(ひげ)」で公開中。
 3月4日は午後6時~8時、島原市の滞在型施設「水脈(みお) mio」でINTERMEDIA代表取締役の佐々木翔さんが対談する。

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