ブドウ活用、クラフトビールに 栃木県内4醸造所 宇都宮で18日、披露イベント

日下さんのワイン用ブドウを使ったうしとらブルワリーのビール

 栃木県内産のワイン用ブドウを活用し、県内4カ所のブルワリー(ビール醸造所)がそれぞれ個性的なクラフトビールを醸造した。ワイナリー開業を目指すブドウ農家日下篤(くさかあつし)さん(39)=市貝町市塙=が栽培したブドウの余剰分を生かす形でコラボが実現した。宇都宮市池上町のブルワリー併設ビアバー「BLUEMAGIC」で18日、お披露目イベントを開く。

 ブドウを使ったクラフトビールを製造したのはBLUEMAGICと、ろまんちっく村ブルワリー(宇都宮市)、うしとらブルワリー(下野市)、808ブルワリー(小山市)。

 日下さんは市貝、芳賀両町でワイン用を中心に7品種のブドウを栽培。現在は山梨県内のワイナリーに醸造委託しているが、自社ワイナリー設立に向けてブドウ生産やワイン販売を増やす試みを続けている。

 昨年はワイン用品種「甲州」が予想を超える豊作だったが、委託先の製造能力を超え、追加分のワイン製造もできないことが分かった。そこで日下さんのブドウを使い毎年ビールを製造していた、うしとらブルワリー醸造長の虎渡和也(とらとかずや)さん(36)に相談。四つのブルワリーで計740キロを原料にクラフトビールを手がけることになった。

 うしとらブルワリーでは、冷凍したブドウの実を皮付きのまま2次発酵の段階で投入。苦みがほとんどなく、ビールと白ワインそれぞれの味わいが楽しめる。BLUEMAGICは、仕込み段階でブドウ果汁を入れ、さっぱりとした仕上がりになったという。

 18日のイベントでは、4種類のビールを飲み比べできるほか、各ブルワリー担当者らも来場する予定。日下さんは「丹精して生産したブドウを原料にしてもらい、造り方は変わっても多くの方に楽しんでいただくお酒になるのは大変うれしい」と話した。

日下さんが栽培したワイン用ブドウを使ってクラフトビールを醸造した虎渡さん

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