シボレー陣営のエレバスが“コカ・コーラ”カマロを披露。トリプルエイトはテスト専用カラーに/RSC

 新車両規定“Gen3”を導入して新時代を迎えるオーストラリア大陸最高峰、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの2023年シーズンに向け、GMシボレー陣営のエレバス・モータースポーツが『シボレー・カマロZL1スーパーカー』を初公開した。ウィル・ブラウンとブロディ・コステッキがドライブする2台には、新たにネーミングライツ契約を結んだコカ・コーラ社のカラーが採用されている。

 同じくカマロZL1を投入するマット・ストーン・レーシング(MSR)は、クイーンズランドでひと足早くシェイクダウンを実施し、ルーキーのキャメロン・ヒルがドライブを担当。さらに陣営のホモロゲーション登録担当チームを務めるトリプルエイト・レースエンジニアリングことレッドブル・アンポル・レーシングは、プレシーズンテスト専用カラーを採用して最初のテスト日を迎えている。

 南半球ダウンアンダーを代表するツーリングカー・シリーズは、この2023年から従来の「正常進化版」と呼べるGen3の車両規定を採用。これまでのGen2に対し車幅を100mm拡幅し、全高も100mm削減。よりロー&ワイドなアピアランスとなり、現行モデルに比べてピーク時のダウンフォースを約200kgも減少させると同時に、車両重量も100kgほど軽減されている。

「今日はここ“Movie World(ゴールドコーストに位置するワーナーブラザーズのテーマパーク)”に来て、2023年の新しい外観を披露できることを光栄に思います」と語ったのは、エレバス・モータースポーツのマネージングディレクターを務めるシャナン・カイリー。

「私たちのスポーツにとって、これほどエキサイティングな時期はないでしょう。新型マシンのローンチは、このカテゴリーだけでなくチームにとっても重要なマイルストーンです。こうして“コカ・コーラ”カマロを発表できたことを非常に誇りに思いますし、サポートしてくれたすべてのパートナーに感謝したいと思っています」

 一方、そのGMシボレー陣営内で先陣を切って初テストに臨んだMSRは、今季2023年よりスーパーカー・デビューを果たすキャメロン・ヒルにステアリングを託した。

「カマロをドライブする最初のドライバーになるなんて、なんて特別な朝だったんだろう」と、チームからも期待を込めての重責を担ったヒル。

「クルマは本当にカッコよかったし、その日は非常に順調に進んだ。僕らは何周かインスタレーションを行い、クルーたちはマシンを見て、すべてが完璧な進捗を見せた。ここからテストプログラムに入り、セットアップを調整して、他のチームよりも先に進みたいと思っているよ!」

ウィル・ブラウンとブロディ・コステッキがドライブする2台には、新たにネーミングライツ契約を結んだ”Coca-Cola(コカ・コーラ)”社のカラーが採用された
「新型マシンのローンチは、このカテゴリーだけでなくチームにとっても重要なマイルストーン」とErebus Motorsportのマネージングディレクターを務めるシャナン・カイリー
Matt Stone Racing(MSR)は、GMシボレー陣営内で先陣を切って初テストに臨んだ
フォード陣営も続々とテストを開始しており、Tickford Racingのキャメロン・ウォーターズも、初のGen3をドライブした

■新型カマロZL1は「ドライブすればするほど、楽しくなる」と語った王者SVG

 そのヒルと今季チームメイトになるジャック・ルブロークも「MSRがチームとして製作した最初のスーパーカー、MSR003の初日を迎えられたのは本当に喜ばしいこと」だと続けた。

「ここにいるのは素晴らしいことだし、マシンは非現実的でパワーの塊だ。とくに(開幕戦の)ニューカッスルでは90周ほど走れるようで、リヤタイヤへの理解はかなり興味深いものになるかもね。でも、こうしてプロトタイプを除いて、スーパーカーで最初のシボレー“レーシング”カマロになったのは素晴らしい功績だよ」

 一方、木曜日のクイーンズランド・レースウェイで最初のテスト日を迎えたトリプルエイトの2台は、昨季2度目のチャンピオンを獲得した“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンと、2年目のシーズンを迎えるブロック・フィーニーの車両に、2月9日と14日のテストで限定使用する印象的なカラーリングを施した。

「2日間限りのテストという柔軟性を考慮し、サテン・ダークブルーのベースカラーに、対照的なクロームシルバーのディテールを組み合わせた、落ち着きのあるスキームに仕上げた」と語るのは、長年チームでデザイナーを務めるピーター・ヒューズ。

「そのどこかに『デザイナーとしてのディテールを加えたい』という誘惑にもかられたが、新しいGen3カマロのプロポーションとサーフェースを最優先に考えた。そのエキサイティングなシルエットに命を吹き込むことが僕の仕事であり、レッドブル・アンポル・レーシングのビジョンに本当に似合う、ドラマチックでアグレッシブな雰囲気が作り出せたと思う。素晴らしい結果になったね」

 専用カラーをまとうGen3で最初の周回を終えたSVGは、完成したばかりのカマロZL1に対し「ドライブすればするほど、楽しくなる」とのファーストインプレッションを述べている。

 そのトリプルエイトは、シリーズの公式テストである2月22日のシドニー・モータースポーツパークで2023年本戦仕様のカラーを発表する予定で、翌月の3月10~12日に『ニューカッスル500』で新時代幕開けの日を迎える。

ホモロゲーション登録担当チームを務めるTriple Eight Race EngineeringことRed Bull Ampol Racingは、プレシーズンテスト専用カラーを採用した
2月9日と14日のテストで限定で「サテン・ダークブルーのベースカラーに、対照的なクロームシルバーのディテールを組み合わせた」とピーター・ヒューズ
昨季2度目のチャンピオンを獲得した“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンも初テスト「わずかなオフでも、感覚は錆びつくね」
同日のクイーンズランドでは、PremiAir Racingもテストを実施している

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