原発事故の怖さ、命の尊さ絵画に 神奈川の山内さん、岡山で個展

原発事故などをモチーフにした山内さん(中央)の絵画が並ぶ会場=蔭凉寺

 東京電力福島第1原発事故などをモチーフにする画家山内若菜さん(45)=神奈川県藤沢市=の個展が10日、岡山市北区中央町の蔭凉寺と近くのギャラリーで始まった。被ばくした牛や牧場主らを抽象的に描き、放射能の怖さや命の尊さを伝えている。

 山内さんは2013年、原発事故後も牛を飼育する福島県浪江町の「希望の牧場」を訪れ、影響を受けたという。同寺には、暗い色調の画面に希望の象徴としてペガサスを配した横15メートル、縦2.6メートルの大作「牧場」など3点を展示。原爆投下後も枯れずに残る広島市平和記念公園の「被爆樹木」の生命力を力強く表現した新作もある。

 山内さんは「原発事故のつらさの中にも、希望や未来を見いだしてもらえれば」と話している。

 希望の牧場を支援するNPO法人国際協力研究所・岡山が企画。展示期間は蔭凉寺が11日、大小約40点が並ぶギャラリー「Gallery108」は12日まで。

© 株式会社山陽新聞社