3年ぶり日本フィル長崎公演 コントラバス・山口雅之「初凱旋に感無量」 ソリスト・山口修「演奏で恩返しを」

長崎公演に意気込む山口雅之(右)と山口修=長崎新聞社

 日本フィルハーモニー交響楽団(東京)第48回九州公演の長崎公演が21日午後6時半から、長崎市魚の町の長崎市民会館で開かれる。長崎での公演はコロナ禍の中止を経て3年ぶり。同市出身でコントラバス奏者の山口雅之(26)にとっては初の凱旋(がいせん)公演。ソリストとして同市在住のギタリスト山口修(67)も出演する。2人に公演への思いなどを聞いた。

 -日本フィル団員になるまでの道のりと、抱負を。
 山口雅 小学生の頃はピアノを習っていた。高校の入学式でコントラバスを弾いている上級生の姿に憧れ、吹奏楽部に入部。武蔵野音楽大でもずっとコントラバスを弾いた。最も低音が出る弦楽器で、音楽の土台を作れる。華やかさはないが渋く、深い音色も魅力。在学中にプロを志し、卒業後に日本フィルのオーディションに合格して2020年7月、入団した。人の心を動かす音楽家になるのが目標。

 -共演する日本フィルへの思いは。
 山口修 日本フィルは「市民とともに歩む」がキャッチフレーズで約半世紀にわたり市民による実行委員会で公演が運営されてきた。私は、若い頃からヨーロッパ公演をはじめ日本フィルと80回以上の共演歴があり、長いつきあい。
 ちょうどデビュー50周年コンサートを展開中で、そんな節目に招いてもらい光栄。演奏を通して恩返しをしたい。同郷で名字も同じ山口雅之さんとの初共演も楽しみ。同じ弦楽器でもギターとコントラバスは奏法も音色も役割も全く異なり、注目してほしい。

 -長崎公演の聴きどころは。
 山口雅 ベートーベンの交響曲第7番など3曲を演奏する。ベートーベンはコントラバスに独自の役割を与えており、演奏は難しいがやりがいがある。第7番は心が躍るような曲なので楽しんでほしい。入団後はずっとコロナ禍。ようやく地元で演奏でき、感無量。同級生やこれまでお世話になった方をはじめ、ぜひ多くの人に聴いてほしい。

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