3年ぶりに観客「お弓神事」無病息災を祈る伝統行事(広島・福山市 鞆)

広島・福山市の神社で、年の初めの伝統行事「お弓神事」が、12日に行われました。

福山市 鞆町の沼名前神社(ぬなくまじんじゃ)の境内にある八幡神社です。お弓神事は、1年の邪気をはらい、無病息災を祈るもので、江戸時代末期に始まったとされる伝統行事です。

新型コロナウイルスの影響でおととしは中止、去年は無観客で行い、12日は3年ぶりの通常開催でした。

的の裏には「甲乙ム(こうおつなし)」の文字が書かれてます。「勝負事にあらず 争いは無用」という意味があり、的に当たることは重要ではないそうです。

「ね~ろた ねろた 親弓がねろた」

矢を放つのは、神社周辺の7つの町内会から持ち回りで選ばれた「弓主」と呼ばれる2人。交互におよそ27メートル離れた場所から直径2メートルほどの的を狙います。

子どもたちが的から矢を持ち帰るなど、弓主のお世話をするほほえましい姿も見せ場の1つです。弓主が弓を引くと、境内は緊張に包まれ、矢を放つと観客からどよめきのあと、大きな歓声が上がっていました。

弓主を務めた 衣笠稔弘 さん
「大事な大事な神事です。何事もなく終われて、ほっとしています」

観客
「(お弓神事が)ことしも無事終わって、これからみんな安泰に暮らせたらいい」

矢で射られた的は災いをはらうことができると伝えられていて、観客は的の一部を家に持ち帰っていました。

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