転落した釣り客引き上げ 人命救助で感謝状 濱口さん、福浦さん 長崎・五島

感謝状を受け取った濱口さん(右)と福浦さん=五島市

 海中に転落した釣り客を救助したとして、五島海上保安署は10日、いずれも長崎県五島市平蔵町で漁業の濱口宏さん(77)と福浦三則さん(75)に感謝状を贈った。
 同署などによると、1月7日午前8時半ごろ、同市戸岐町間伏で、1人で釣りに来ていた市内の20代男性が磯場から海中に転落。近くにいた別の釣り客が118番通報した。
 同署から救助要請を受け、県水難救済会五島ふくえ救難所に所属する2人が濱口さんの漁船で現場に出向き、男性を発見。2人で協力して浮輪やロープを投げてつかませるなどして、転落から約1時間後に船に引き上げた。

海中に転落した釣り客を救助する福浦さんら(五島海上保安署提供、画像は一部加工)

 現場は、福江島北部と久賀島との間で潮流が速く、当時は風速12メートルの風だった。男性は救命胴衣をつけており、意識はあったものの、救助後は自力で立てない状態だったという。
 岩永洋署長が感謝状を手渡し「迅速な救助が奏功した」と礼を述べた。濱口さんは「けっこうしけていたけど助かって良かった。1人での釣りは注意してもらいたい」、福浦さんは「もう少し沖だったら、(潮流で)もっと流されていた。救助できて安心した」と話した。


© 株式会社長崎新聞社