「子育ての経済的負担感を軽減させていく」静岡市が過去最大3,517億円の当初予算案発表 子育て支援に重点

静岡市は、過去最大となる2023年度の当初予算案を発表し、子育て支援など、5大重点政策に力を入れます。目玉の取り組みは子育て支援。現場の悩みを解決する手立てとなるのでしょうか。

<静岡市 田辺信宏市長>

「静岡市第4次総合計画のスタートの年です。スタートダッシュが切れるような、5大重点政策の取り組みを中心に予算を重点配分しています」

2月15日に田辺信宏静岡市長が発表した2023年度の当初予算案は一般会計で3,517億円と、2022年度より4.1%(139億円)増えて、過去最大となりました。まちづくりの大きな方針となる「第4次静岡市総合計画」の重点政策の中でも特に力を入れるのは、子育て支援です。

<静岡市 田辺信宏市長>

「子どもを育てるのはお金がかかりますので、金銭的な面で経済的な負担感を少しでも軽減させていく」

静岡市が打ち出したのは、第2子以降の保育料の完全無償化。政令市で初めての取り組みで、0~2歳を対象に市内のこども園や認可保育施設などでの保育料が無料になり、家庭によっては最大で月額およそ5万7,000円の軽減となる見込みです。

<静岡市民>

「育休中って給料も減るので、そうすると将来の不安もあるので、お金かけてもらうのはすごくうれしい」

「第2子以降を考えるきっかけにもなる」という声もありました。

さらに、静岡市は子どもたちが駆け回るような屋内型遊び場施設の調査費として、およそ1,000万円を計上。4年かけて完成を目指します。

モデルの1つになっているのが、隣町・焼津市の「ターントクルこども館」。タマゴのかたちをしたヒノキのおもちゃが敷き詰められたプールなど、さまざまな遊びが体験できます。オープンして1年余りで入館者数10万人を達成。子育て世代に人気の施設です。

焼津市によりますと、1か月あたりの平均利用者数はおよそ6,500人ですが、内訳を見ますと、焼津市民と静岡市民がともに全体のおよそ3割で、ほぼ同じ割合です。静岡市民の需要の高さが伺えます。

<静岡市民>

「雨の日でも屋内だったら遊べるのでいいと思います」

前向きな受け止めが聞かれる一方、現場の悩みは多種多様です。

<静岡市民>

「食費が上がっているのがちょっときつくて。4人目なので、これからの教育費に不安はあります」

「いま、保育園に入れなくて、『1歳の4月がもう入れない』と言われちゃったんで…いや困ってるんです。育休延長で、待機児童かなって感じ」

本当の意味で子育て環境の充実を図るには、あらゆる分野から支援の手を差し伸べる必要がありそうです。

静岡市はこのほか、次の施設や課題にも予算を盛り込んでいます。水族館と博物館の機能を併せ持つ「(仮称)海洋・地球総合ミュージアム」の着工など、清水港周辺のにぎわい創出に約54億円、台風15号を教訓にした給水インフラの強化に約5億円、新型コロナワクチン接種に約38億円などを計上しました。2023年度当初予算案は、静岡市議会2月定例会で審議されます。

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