宇都宮市南消防署の移転先、白紙に 一部地権者の合意得られず

現在の南消防署

 宇都宮市は15日、南消防署(宮の内1丁目)の移転先として予定していた上横田町の土地の取得が困難となったため、新たな建設予定地の選定に着手すると発表した。一部の地権者から売却しない意向が示され、断念したという。新たな予定地は2023年度中に選定し、当初の予定通り27年度の完成を目指す。

 市は昨年8月、老朽化した南消防署を移転して建て替える「市南消防署整備基本計画」を策定。上横田町の国道4号に面した約6500平方メートルの土地を移転先として決定した。

 市消防局によると、この時点では、関係する全ての地権者から売却を含めた協力が得られる見通しだった。その後、土地売買契約に向けた交渉を始めたが、一部の地権者の合意が得られなかったという。理由は明らかにしていない。

 移転先は現庁舎から近いこと、十分な面積があることなど好条件がそろっていた。消防局は新たな移転先について「条件に見合う候補地を幅広く検討している」としている。

© 株式会社下野新聞社