マスク着用「個人の判断」 栃木県が対応決定、卒業式も求めず

定例記者会見で説明する福田知事=14日午後、県庁

 栃木県は14日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、マスクの着用について3月13日以降は個人の判断に委ねることを決めた。政府方針に準じたもので、同日以前でも県立校の卒業式では児童生徒と教職員は外すことを基本とし、県の対応を各市町教委にも通知した。県内での感染初確認から間もなく3年となる中、大きな方針転換となる。

 症状がある人や陽性者、同居家族に陽性者がいる人がやむを得ず外出する場合については、引き続きマスク着用を求める。

 医療機関や高齢者施設などへの訪問時や、混雑した電車やバスに乗る際、重症化リスクの高い人が混雑した場所に行く際などにはマスク着用を推奨する。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は会議後の記者会見で「着用の有無は1人1人が場面や状況に応じて判断してほしい」と述べた。事業者には、今後見直される業種別のガイドラインを参照するよう呼びかけた。

 卒業式では国歌や校歌斉唱で児童生徒が一斉に声を出す場合、マスクなど一定の対策を要請する。来賓や保護者にはマスク着用を求め、座席間に一定の距離を確保してもらう。

 新型コロナやインフルエンザの流行状況により、市町教委や各学校によっては県立校と異なる対応が取られる可能性があるとして、福田知事は「児童生徒に急に着脱を強いることがないよう促したい」との考えを示した。

 政府方針では新学期の4月1日以降は学校現場でマスク着用を求めないとしているが、県としての対応は現時点では示さなかった。県は「国から具体的方針が今後示されるのを待って対応を決める」としている。

 県教委によると、県立高の卒業式は3月1日に集中し、特別支援学校では7~16日に行われる。市町立の小学校は13~20日、中学校は10~13日に行われる。

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