横浜のイチゴ狩り農園がDX化、予約システム導入で集客2倍に 電話予約対応の無人化に成功

川戸ファームでは予約受け付けを無人化。利用客も2倍に増えたという=横浜市戸塚区

 イチゴ狩りがシーズンを迎えている。各施設では家族連れなどでにぎわいを見せているが、作業負担の悩みを抱える農家も少なくない。そんな中、デジタルトランスフォーメーション(DX)化によって予約受け付けなどの負担軽減を図る動きが進んでいる。作業の効率化だけでなく、売り上げが伸びたというケースも。イチゴ農家にとって、デジタルツールは欠かせないものとなりつつある。

 イチゴ狩り農園「川戸ファーム」(横浜市戸塚区)は2022年1月、インターネット予約システムを導入。同年の客数は、前年の約2倍に伸長した。

 「予約システムは作業負担を軽減する上で重要な役割を果たしている。我が園の優秀な『社員』であり、これからも欠かせない」と同園の川戸浩二さん(59)は話す。

 同園は、20年にイチゴ狩りを開始。完全予約制で、紅ほっぺをはじめとした6種類のイチゴを楽しめる。

 従来は電話などで予約を受け付けていたが、繁忙期は1日に100件ほどかかってくることも。従業員が約3時間拘束されることもあり、「予約の対応や管理などで時間が割かれ、作業に影響することもあった」という。

 システムの導入によって、電話予約対応の無人化に成功。営業時間外の受け付けも可能となり、受け入れの幅も広がった。

 川戸さんは手持ちのスマートフォンを見ながら、「人数などの予約状況をシステム内で瞬時に把握でき、効率よく(サービスを)提供できる。今後のイチゴ栽培に、デジタルは必須アイテム」と目を細めた。

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