卒業後の人生、お金の工面リアルに…福井の高校生がローンの仕組み学ぶカードゲーム制作 思わぬトラブル付き

金融を学べるカードゲームを制作した森さん=2月10日、福井県福井市の福井南高

 成人年齢の引き下げを受け、福井県福井市の福井南高校2年の森夕乃(ゆの)さんが、ローンの仕組みを学びながら高校卒業後の家計のシミュレーションができるカードゲームを制作した。森さんは「将来をイメージして、経済を身近に考えるきっかけにしてほしい」と話している。

 ゲームは進学や結婚、住宅の購入などのライフイベントにかかる費用を算出しながら、18~65歳の人生を想定し、最終的な貯金額を算出する。カードは18歳のシーンだと「地元の量販店に就職。実家から通う。収入16万円、支出12万円」「東京の私立大へ進学。学費の一部に奨学金を使う。支払期間13年、月支払額2万円」など。

 31歳では、結婚に関するカードも登場。時勢を反映し「コロナ禍で挙式がキャンセルに、フリーローンで違約金を工面。返済期間10年、月支払額1万4千円」も。「子どもがスマホゲームで高額課金、支出4万円」などトラブルも盛り込んだ。

 同校では昨年度、教員とSMBCコンシューマーファイナンスが連携してカードゲームで収支の感覚を学ぶ金融学習を1年生向けに行った。森さんは授業をきっかけに、経済に興味を持ち、より現実的に捉えられるようゲームの改良を考えた。

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 県内企業や就職が決まった3年生に給与について教わったり、大学や専門学校に通う先輩に奨学金について聞いたりして、細かな金額をカードに落とし込んだ。森さんは「経済は知っておかなければいけない大切なこと。苦手意識を減らし、具体的にイメージできるよう意識した」と振り返った。

 2月10日に同校で体験会があり、1年生約70人が奨学金や自動車、住宅ローン、フリーローンなどさまざまな支払い方法を取り入れながら、ゲームに挑戦した。女子生徒は「奨学金返済が40歳までかかったり、それ以外にも支出がたくさんあったりして計画を立てないといけないと実感した」と話していた。

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