長崎県警が初の実車衝突実験 約50人参加、捜査に活用へ

衝突実験の破損状況などを確認する警察官=大村市古賀島町

 長崎県警は16日、実車を使用した衝突実証実験を大村市内で実施。県内各署から交通事故捜査を担当する警察官約50人も参加し、捜査のポイントなどを学んだ。
 車両衝突時のデータを集め捜査に役立てようと初めて実施。オートマチック車でブレーキを離すと自動的に進む「クリープ現象」で追突した場合やバックでぶつかった場合など、それぞれの状況で傷の付き方や路面の痕跡などを調べた。
 時速30キロで走行し、停車車両の約5メートル前で急ブレーキをかけて追突する実験では、追突された車両が大きな音と共に衝撃で5メートル以上前に押し出された。参加者は後方の破損状況やハイスピードカメラで捉えた衝突の瞬間を、メモを取るなどして観察していた。
 林田晋交通指導課長は「県内では2月に入り2件の死亡ひき逃げ事故が発生しているが、現場では痕跡を見つけて判断することが重要。事故の瞬間を見る機会はあまりないため、学んだことを現場でも共有してもらえたら」と話した。


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