大島渚賞に「やまぶき」山崎監督 大きなスケール持った映画と評価

映画「やまぶき」の一場面((C)2022 FILM UNION MANIWA SURVIVANCE)

 多くの映画監督を輩出してきた自主映画の祭典「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」は17日、世界へ羽ばたく若い才能に贈る「第4回大島渚賞」に、真庭市を舞台にした新作「やまぶき」を手掛けた山崎樹一郎監督(44)=同市=を選んだと発表した。

 同賞は世界で活躍し、数々の傑作を残した故大島渚監督に敬意を表し、PFFが2019年に創設。日本在住で劇場公開作が3本程度の若手監督を対象とし、音楽家の坂本龍一さんが審査員長、映画監督の黒沢清さんらが審査員を務める。

 「やまぶき」は、社会のひずみに苦しみながらも希望を見いだそうとする人々の群像劇。貧困や格差といった社会問題を静かに描き出し、審査員からは「段違いの大きなスケールを持った映画」と評価を受けた。

 作品はフランス、オランダなど14の国際映画祭に出品され、グランプリや審査員特別賞を射止めている。

 3月14日に東京で授賞式、15日に記念上映会を行う。山崎監督は「強い意志を持って新たな映画を作り続けた大島渚監督の名前を冠した賞をいただき、重みを感じる。新しい道を歩み続けなければと身が引き締まる」と話している。

山崎樹一郎監督

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