連帯責任とは

 複数の人が責任を分け合うこと。共同で行為や結果の責任を負うこと。集団内で一人が失敗した時に全員がそれを償うこと。いわゆる連帯責任-▲先日、石見智翠館高(島根)の女子寮の風呂場で盗撮被害があり、学校側がラグビー、野球部の男子生徒が関与した可能性が高いと発表した。画像も6枚確認されており、現在は警察が経緯を調査中だ▲結果、両部は活動を自粛。花園出場32回を誇るラグビー部は、今月中旬の全国選抜大会中国予選の出場を辞退した▲もちろん、これは犯罪であり、当該生徒は厳正に処分されるべきである。でも、ここでいつも考えさせられる。何の関係もない他の部員は、どこまで責任を問われなければならないのかと▲部活動で部員が問題を起こした際、チーム全体が自粛するというケースは少なくない。一方で、文部科学省のガイドラインには「チーム内で違反行為があっても、他の競技者は連帯して責任を負わされるいわれはないため処分をしない」という基本原則もある▲不祥事を起こしたチームの活動継続は社会からの批判に耐えられない、という見方もある。だが、違反行為をしていない選手やその保護者の中には「せめて校内の練習だけでも…」という人も多いはずだ。連帯責任についての議論が進むことを願っている。(城)

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